ある東京の勉強会で、東京新宿溝口クリニックの「溝口徹」先生にお会いして、眼から鱗が落ちる栄養医学の講義を受けた。かれこれ10年前のことである。 そのときに習った分子整合栄養医学の「栄養医学」が、従来の「栄養学」と異なるのは、我々が医学部で習う「生化学」の知識を活用して、 体内の分子の状態を分析して、体内の栄養状態とビタミン・ミネラルの状態を正しくして(整合して)、健康なレベルまで回復させる。 そうすると、不調である体が回復するというものである。
従来の栄養学は、カロリー計算したり、いわゆるバランスのとれた食事をして、欠乏症の起こらない程度のビタミンやミネラルを活用したり、食べ物から栄養を摂取する程度の栄養学の知識である。 分子整合栄養医学は、従来の栄養学では見落とされた栄養状態を、生化学血液検査データを詳しく分析し、それを土台にして各患者に食事指導を行い、異なった量のサプリや点滴を投与して治療していく。
分子整合栄養医学を利用して、外来で一番簡単に可能な応用法を先ず述べてみる。 眩暈、立ちくらみ、耳鳴り、頭痛、頭重、片頭痛、疲れ易い、不眠症、歯茎の出血、口内炎、風邪にかかり易い、眼がしばしばする眼球乾燥症など、いわゆる不定愁訴の患者が外来に来たときは、まず問診で食事のことを質問する。 今まで食べた食事によって、その診察日の栄養状態が反映される。 「You are what you have eaten!」と言われている。 すなわち、それまで食べたもので、体は出来ているので、食事の質問は大切である。 朝飯を抜く人、朝食を食べるが菓子パンやコーヒーだけの人、昼はうどん、あるいはカップラーメンだけの人、夜はあり合わせの食事で済ます人などは、カロリーは十分にあるが、体を構成する栄養素に乏しい。
人間の体の60%は水で出来ている。
あとの40%のうち、3/4はたん白質で(体の30%にあたる)残りの1/4(体の10%にあたる)は、カルシウム、鉄、亜鉛その他の微粒ミネラルやビタミン等で構成されてある、と考えると栄養学的に非常に理解し易い。
更に、体たん白質構成を3つに分ける。
1/3は免疫形成に関係し、1/3は消化酵素や体の形成やホルモン合成に関係する酵素に関係し、1/3は爪、皮膚、筋肉、骨、消化管などを構成するコラーゲン(膠原)の形成に関係している。
簡単に言うと、水を除いた40%のうち、10%が免疫たん白質、10%が酵素を作るたん白質、10%がコラーゲン合成のたん白質、
残り10%がミネラルやビタミンなどで構成されると理解すると、たん白質とミネラル・ビタミンを含んだ食事やサプリを摂取することが大切であることを理解できる。
この体内の簡単な栄養組成の説明は、外来患者によく使うが「專太郎オリジナル」である。
毎日、たん白質量ビタミン・ミネラルの少ない食事を摂取すると、たん白質を分解する胃内のペプシノーゲン、種々の腸内から消化酵素、糖代謝に必要なインスリン合成が膵臓で十分に行われない。
摂取した食物から体たん白質を作り、元気な細胞、すなわち良い体を造るための一番必要なミネラルは鉄と亜鉛であると理解し、外来初日にその不足を発見し、その補正治療に努めるようにする。
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